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サーフィンについて

 自分がサーフィンを始めたのは高校3年生の時で、隣に住んでいたおじさん(叔父ではなく近所の年上の男性としてのおじさん)から引っ越しの際に9ft(2.7m)のロングボードを預かった。海にほど近い環境でもあり、サーフィンを始める切っ掛けとしては十分であった。


 Surfing(サーフィン)の語源はSurface(表面)にあり、Surfing=Surfをingしている。

つまり表面上を現在進行するという意味になっていて、海面をスライドし続けるサーフィンの動きを表す名前がついたようになっている。

 世界各地に泳法と地続きな遊びとしての波乗りは古くから嗜まれており、現代的なポリウレタンを主原料としたサーフボードでの波乗り文化の日本の発祥は、横須賀や逗子の在日米軍によって湘南地域にもたらされたといわれる。

 ここから広くPOPEYEなどのマスメディアに掲載されるようになり全国へサーフ文化は浸透していった。現在では江ノ島沿岸の鵠沼海岸はサーファー密度が世界で一番高いサーフスポットでもある。


 右も左もわからないまま海パンとTシャツでサーフィンを始め、特定の人にいろはを教わることはなかったが、技術面は動画やその場の先輩サーファーの動きを見よう見まねで体得しようとし、チョンボをすればローカルのサーファーに怒鳴られるので、サーフィンでのマナーやルールを拳骨を避けながら肌で覚えていった。


 よく‟泳げなくてもサーフィンはできる”と言われるが実際はどうであろうか。

プールと海では環境が段違いではあるが25mプールを泳ぎ切れる程の泳力があれば、海での身のこなしや波への慣れは早いだろう。しかし自信があったとしてもそれが蛮勇となって大きな波に無理をして挑んだりすることは禁物である。

 身一つで波に乗るボディサーフィン以外は浮力のあるボードを抱えて海に入るので、波にさらわれても必死で板にしがみつき、放しても海の命綱であるサーフボードと足を繋ぐリーシュコードを手繰り寄せ板に跨れば、溺れたり最悪の事態になることは少ない。

 海での危険は波だけではなく、離岸流や海底の珊瑚礁、猛毒を持つクラゲや鮫など、その他多くの危険がありとあらゆる角度からサーファーを襲ってくる。それらを熟知しセーフティサーフを心掛けていることを前提として、泳げなくとも自分のレベルにあった波で経験を積んでいけば、サーフィンを十分に楽しむことができるだろう。


 サーフボードが一本あれば、サーフィンを楽しめる訳ではない。

夏であれば海水パンツやラッシュガードで入水できるが、水温が高い一時的な期間でしか着用できないので、長期的にサーフィンにチャレンジする場合はウェットスーツが必要になってくる。まずは春から秋くらいまで使える厚さ3mmのウェットスーツを買うといい。

腕部が着脱式にもなるタイプのシーガルというスーツは暑ければ半袖に、寒ければ長袖に変えることができるのでおすすめである。新品で約3~5万円でムラサキスポーツ等で購入できる。もう一つおすすめなのが見た目もかっこよくてコストも抑えられるタッパーというライダースジャケットに似たウェットスーツ(?)があり、これは個人差もあるが春~夏間に使えて、全身ではなく上半身用なので着るのがとても楽で保管もしやすい。中上級者が着ているイメージがあるが、価格は約1~3万円くらいなのでサーフボードと一緒に購入しやすいかもしれない。


 ロングボード、ショートボード、ファンボード(ミッドレングス)、ソフトボード……

とサーフボードは大別しても何種類もあるので、自分に適した板を探すことは容易ではない。が、どんなサーフィンをしたいかの模索ともなるので重要な行為であるといえよう。

 ロングボードは長くてデカくて重いので管理が安易ではないし、運搬も大変なので海の近くに住んでいて傷つけないよう保管できるのであればエントリーボードに選んでも問題はあまりない。だが扱いが難しいので、波に簡単にあおられて人とぶつかってしまったりしがちである。小さな波でもパワーを大きな板全体で受けるので波に乗りやすく、ビギナーでもすぐに波に乗れるようになる。とりあえずサーフィンをやってみたい人向けのサーフスクールで貸し出される板も、クッション性のあるロングボードを使用することがほとんどである。スクールの場合はトレーナーが板のコントロール補助をしてくれるので、他人に迷惑をかけないよう配慮してもらえる。


 ショートボードは短く軽く運び易いので、自転車やバイクに専用のキャリアーをつけて運んでいる人も多い。値段はピンキリだがロングボードに比べると大分安い。浮力は他の板に比べて低いので疲れやすく、小波でテイクオフすることは難しい。プレイ人口の一番多いサーフボードでもあり、海の近くのハードオフやトレファクやらの中古ショップに行けば、小傷の付いたショートボードが安く売られているのをよく見かけることがある。

 ファンボードとはロングボードとショートボードの合間のような板で、ショートボードを少し分厚くし少し長くしたようなものである。よくサーフショップでサーフエントリーセットとしてウェットスーツとセット売りされるサーフボードで、よく選ばれているのがこのファンボードある。ショートボードよりかテイクオフし易いが、波に乗った後の波上でのパフォーマンス性にはやや欠ける。しかしそこはビギナーが気にすることではないだろう。


 そしてソフトボードはスポンジボードとも呼ばれる柔らかいサーフボードのことである。

ポリウレタンにファイバーグラスクロスを巻いた一般的なよくイメージするサーフボードは、一本一本が職人(シェイバー)の手作りなので高級品でもあるが、ソフトボードは工場で大量生産しているので比較的安価である。

ソフトとはいっても中に芯棒が入っているので、人が乗って折れ曲がるような心配はない。ソフトボードはサイズで定義されている訳ではないので、ロングサイズやファンサイズ等の使いたいサイズのソフトボードを選ぶとよい。他人の板や人に当てても怪我させ難いのが最大のメリットである。扱いが雑でも壊れにくいので大いにビギナーにおすすめしたいサーフボードの一種だ。


 そして自分がどこのサーフスポットに一番よく通うことになるのかを定め、そこの環境に合わせた板を選ぶことも大切である。


 サーフィンをする場合リーシュコードはほぼ必須なのでこちらも用意する必要がある。

約3~5千円で売っているが、サーフショップで新品の板を買う時におまけでつけてくれることがよくある。

 サーフィンにおける三種の神器、サーフボード、ウェットスーツ、リーシュコード、これらが揃えば波のある日海に入ればサーフィンをすることができる。

 例えばブランドに拘らず安く、運び易く、乗り易い板を選ぶとしたら、ファンサイズのソフトボード(+リーシュコード)約3万円と、首がきつくならないフロントジッパーのタッパー約1.5万円と海パン約5千円で初期費用約5万円あれば、サーフィンは始めることができるだろう。


 日光浴によって紫外線を浴びることでビタミンDを生成することができるが、シワやシミの原因になってしまう。サーファーは夏場は半裸で海に入ることもよくあるし、海面が日光を反射するので地上よりもより多くの日光および紫外線を浴びてしまう。

 ビタミンDは骨のバランスを整え、免疫力をアップさせ、精神的な不調も改善させたりと心身の健康を保つ効果がある(らしい)。最近ではファンデーションのように肌に馴染みやすい色のウォータースポーツ用の日焼け止めもあるので、ミック・ファニング(*²)のように顔をおしろいの如く塗らなくてもよくなった。


 2020年現在でサーフィン歴は7年目に突入した。水平線少し遠くのあの波が、ここに来るまでにどれだけ成長して、どこにいれば乗り易いかとかはわかるようになってきたし、波の上でも少しは好きに動けるようになった。それでもまだ前乗り(*¹)したり、進行方向を邪魔したりして怒られることも依然ある。とかくやりたいときに波があれば入り、情報を伝手に波に合わせて生活したり、ある程度の健康的メリットを受け取りつつ気ままにできればと思っている。


                  2017年頃から使っているソフトボード(2021.5撮影)



既にテイクオフして波に乗っている人がいるのに、そのサーファーの進行方向の

ポジションでテイクオフすること。

*² オーストラリアの元プロサーファー、2018年競技からは引退。


以下、紹介したい記事や、文中の関連動画、好きなサーフクリップを配置したい。



 メンタルヘルスとしてのサーフィンも徐々に広まりつつある。

戦争を体験した米退役軍人はサーフィン療法プログラムによってトラウマを克服している。

 NETFLIXの「Resurface: 波に包まれて」というショートドキュメンタリーも同様に大きな負傷をした米退役軍人がサーフィンにチャレンジする内容で、ネットフリックス加入者にはおすすめしたい。



 40年(14,642日)毎日連続でサーフィンをした男性がいる。

 彼はフラットに近い小波でも毎日最低3本は波に乗ったという。

波がなくても、思うように海に入ることそれだけで素晴らしいということが、この人の40年のサーフィン人生が物語っている。

彼のホームポイント、カリフォルニア州北部のボデガ・ベイのような完全な湖状態にならず、最低でもロングでなら乗れる小波が毎日起きる高環境もあってこその達成だったのではないだろうか。


ボディサーフィン


ドイツ ミュンヘンのアイスバッハ川でのリバーサーフィン


なんかいいやつ


四角いブイを連結して作った道を海に浮かべて、そこから波へ飛び乗る前代未聞のサーフクリップ。



2020.11.18

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