© KEITO HARADA

小汚い断捨離

 実家の庭に2隻のカヤックがありまして、今から7,8年前に地元の有名なカレー屋さんの一郎おじさんから貰ったもので、高校1年生くらいの時にうちにきたものの海は近くてもまだ立派な海小僧というわけではなかったので、夏休みに友達とえっちらおっちら運んでいって江ノ島一周したり、キス釣りしたりと何回か遊んだだけの活躍でした。


10年弱もおんぼにほっぽっといておくと、風さらしたまの台風だけでも蟹工船の如く傷だらけになってしまうもので、浸水してしまうほどのクレバスが知らぬうちにできていました。いかんな~と想いながらも、手に余る代物となってきたので手放すことに。


カヤックを譲り受けてくれる知人はおらず、処分することが濃厚な手段だと考え廃品回収業者を呼ぶか、今になっては信じがたい方法だが鋸で裁断してプラゴミで出そうかとも浅慮に滞っていた。


別にこれはもう自分が使わないだけで、ゴミではないということに気づくまで多分な時間を要し、ご近所掲示板アプリに投稿してみたところすぐに欲しいというメッセージがいくつも飛んできた。傷物のデカブツだし貰ってくれるだけ儲けものという先見は些か浅はかであった。


一番最初に返信をくれた人にタダであげますよーと「受け渡し予定者」に意気揚々と選定してしまったが、あとからポンポンと1万円で譲って欲しいとか言う人もちらほら出てきたので心中は穏やかではなかった。そっくりそのまま転売される可能性もあった。


しかし、いくら売りて市場だとしても簡単に契約内容を変更することはできないので、ドタキャンでもしてくれないかと願った。すると取引時間の10分前になっても連絡がなかったので、こちらから勝手だが「取引中断」をした。すると先方から「遅れて申し訳ないがあと40分で着く、「取引中断」されてしまって悲しい」と。なので、転売防止の為に10,000円

頂戴致します。それでも取引可能であればそのままお越しくださいと……

先方は、「諦めます。」と言ってレンタカーを引き返した。


集計:20,000円+スペース-心のスペース